現代とは大違い!花魁にも求められた江戸時代の美人の条件とは


花魁と言えば、希代の美人というイメージがありますよね。
しかし、現代と江戸時代とでは、整った顔立ちとされる条件は異なっていました。
今回は、江戸時代の花魁美人の条件についてご紹介します。
現代とは大違い!江戸時代の花魁に求められた美人の条件とは
花魁に代表されるような美人の条件には、以下のような特徴があります。
- 色白できめ細かい肌
- 細面
- 小さめな口
- 富士額
- 涼しげな目元
- 鼻筋が通っている
- 黒髪
鼻筋が通っていたり、黒髪だったりなどの条件は、平安時代や戦国時代も共通しているようです。
一方で、一口に江戸時代といっても250年以上の時代を指すため、江戸初期と後期では花魁美人の条件にもさまざまな違いが見られます。
ここからは、江戸時代初期から後期にかけて、花魁美人の条件の変遷についてご紹介します。
江戸の美人の原点?江戸初期の絵画
こちらは、菱川師宣によって描かれた「見返り美人図」です。
現代人からすると、整った顔立ちと言えるかは微妙なラインですが、黒髪であり、色白できれいな鼻筋が通っていることが分かりますね。
また、江戸初期の花魁美人の特徴として「ふっくらとした丸顔」もポイントとされていました。
長い戦乱の世が明け、ようやく平安の世が訪れた江戸時代では見ていて落ち着くような癒し系の顔がもてはやされたのかもしれませんね。
より少女風に!江戸中期の花魁美人とは
こちらは、江戸中期を代表する浮世絵師、鈴木春信が描いた「明和三美人」です。
描かれている3名は実在の人物をモデルとしており、中でも右側に描かれた女性、鍵屋の笠森お仙の人気は圧倒的だったと言われています。
お仙が働く鍵屋は、お仙を一目見たい客で大混雑しており、店も人気にあやかろうとお仙のグッズを発売していたのだとか。
ここから読み取れる花魁美人の条件としては、全体的に可憐でかわいらしく少女風であり、なで肩で柳腰の華奢な佇まいをしており、小さくぷっくりとした唇があげられます。
女性らしさがより前面に!江戸後期の花魁美人
江戸後期には、これまでとは大きく変わり、大人の女性の魅力を持つ女性がもてはやされるようになります。
これは、喜多川歌麿が描いた「寛政三美人」です。
描かれているのは、中央は吉原で活躍した芸者・豊雛、左が煎餅屋「高島屋」のお久、右が水茶屋「難破屋」のおきたという女性です。
これまでに描かれた女性と比べると、全体的に女性らしいグラマラスさを持っており、豊満な胸、おっとりとした大らかな雰囲気などが特徴的ですね。
絵画だけじゃない!写真でみる江戸時代の美女
ここまで絵を見ながら美女の特徴を見てきましたが、幕末になると、当時の美女の写真が残っています。
この写真に写っているのは楠本高子という人物で、フィリップ・フランツ・フォン・シーベルトの孫にあたるのだとか。
彼女の母のイネはドイツ人医師であったシーボルトと遊女の瀧との間に生まれているため、高子はこの時代にしてはめずらしいドイツ系のクォーターでした。
また、彼女は漫画家・松本零士さんの作品「銀河鉄道999」に登場するメーテルのモデルとも言われています。
切れ目で聡明、理知的な雰囲気がありつつも、どこかエキゾチックさも漂う、魅惑の美女ですね。
美人の定義は時代によって変わりゆくものなのかも
今回は花魁を代表する江戸時代の美人の条件についてご紹介しました。
時代によって美人の条件が全く違うのも興味深いですよね。
また、別の記事では、現代の花魁風に仕上げるためのメイク方法についてご紹介しています。
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